「三びきのこぶた」ミハルコフ 作
作・ミハルコフ
文・内田莉莎子
絵・佐藤忠良
世界のおはなし絵本(7)4才~8才向 偕成社発行
(昭和41年7月10日発行)
「この絵本について」
内田莉莎子
この「三びきのこぶた」は、ソビエト」の作家ミハルコフの童話劇「三びきのこぶたとおおかみ」を再話したものです。
ゼルゲイ=ウラジミロビッチ=ミハルコフ(1913年生まれ)は、ソビエト児童文学の代表的詩人・作家です。作品の多くが詩か劇なので、日本ではあまり知られていませんが、ソビエトの子どもたちにたいへん愛されている大作家です。
作品も高く評価されていて、スターリン賞を数回受けています。
ミハルコフの作品は、詩でも童話でも劇でも、なによりまずおもしろく、しかも、必ずなにかを子どもたちに考えさせようとしています。
文章の構成がしっかりしていて、リズムがあり、あまりお説教くさくないのに感心させられます。
「三びきのこぶた」はイギリスの有名なむかし話ですが、ミハルコフは、これをまったくはなれて、自由に書きなおしています。
登場するこぶたたちはもちろん、おおかみまでもが、気の良いゆったりした性格をもっていて、いかにもロシア的な、底ぬけに明るい、のんびりしたお話になっています。
こぶたとおおかみ、また、こぶた同士の生き生きしたせりふのやりとりをそのまま訳せなかったのは残念ですが、ロシア版「三びきのこぶた」を、きっと楽しんでいただけると思います。 (以上)
この「三びきのこぶた」のお話の元はイギリスの民話の一つです。
子豚の兄弟は冬の来る前に家を建てます。
一匹目は藁(わら)で、二匹目は木の枝で、三匹目は石で家を建てます。
一匹目、二匹目は家を壊され、狼(オオカミ)に食べられてしまいますが、三匹目の子豚は家を壊されることなく、逆に狼を鍋で茹でて食べてしまいます。
このミハルコフ作の「三びきのこぶた」とは少し違います。