おひゃくしょうとえんまさま・佐藤忠良 画

おひゃくしょうとえんまさま・佐藤忠良 画
おひゃくしょうとえんまさま・佐藤忠良 画

 

おひゃくしょうとえんまさま・佐藤忠良 画

 

おひゃくしょうとえんまさま

 月刊予約絵本《こどものとも》162号

 中国民話

 君島久子 再話

 佐藤忠良 画

 1969年9月1日 福音館:発行

 

昔、中国には閻魔さまのお祭りがありました。

欲張りの閻魔はあるお百姓のお供えがお祭りに少ないのを怒っていました。

小鬼を使って、お米が採れないように、作物の頭が細く、根が太くなる魔法をかけます。

しかし、閻魔のお堂に住んでいる堂守爺さんにこれを聞かれてしまい、爺さんはお百姓にこっそり教えてしまいました。

このことを知ったお百姓は、お米ではなく、沢山の里芋を作ってしまいます。

閻魔は怒り鬼を使って、今度は、作物の真ん中を太く、上と下を細くする魔法をかけます。

でも又、堂守爺さんに教えてもらったお百姓は、里芋ではなく玉蜀黍(とうもろこし)を植えて食べ切れないほどのトウモロコシを収穫しました。

さらに閻魔は、作物の上から下まで太くなる魔法をかけます。

お百姓は今度はトウモロコシではなく、サトウキビを植え、これまた沢山収穫します。

閻魔はさらに、作物の頭をむっくり、下をひょろひょろにする魔法をかけます。

だが、お百姓はサトウキビではなく、お米を植えて豊作になり、お米を売って家を建ててしまいます。

さすがの閻魔もそれ以上、お百姓の邪魔をすることはしませんでした。