佐藤忠良はその自伝著書「つぶれた帽子」の中で「小児科」「帽子」として次のように書いている。
「佐藤忠良のきたな作り好みといわれた一連の彫刻のあとに、『小児科』と呼ばれた時代があり、続いて『帽子シリーズ』が作り出された。意図してそうしたわけではないのだけれど、振り返ってみると確かに私の彫刻はそうした足どりを見せており、それぞれの時期に同じ人をモデルに何度も作ってきた。朝倉摂さんの一人娘、亜古ちゃんをモデルにしていたころが『小児科』時代である。」 (145頁)
佐藤忠良の子供をモチーフにした作品は沢山ある。
この「地の少女」と題した1978 ブロンズレリーフもあどけない少女の素顔である。
この「地の少女」ブロンズレリーフをよく見ると、この子は帽子を被っている。頭、耳をスッポリ覆い、首の所で帽子の紐が結ばれている。
顔の下の二ヵ所の突起は帽子の紐なのだ。
下の画像はカメラで撮ったもの。
現物と色があまりのも違ったので、スキャナーで撮りなおしたのが、上の画像。
尚、同封してある手紙には下記のように書かれている。
いつも当行をご利用いただき、ありがとうございます。
このたび当行本店ロビーに掲示しております大レリーフ「大地」の制作者の一人である佐藤忠良氏にお願いして、新たにこのテーマにちなんだ、「地の少女」を制作いただきました。
ささやかではございますが、ご愛用願いますようお届けいたします。
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